ノコトラジオFridayPCケアの『パソコン出張お助け隊』第1156回2025-10-31
今週のテーマは、「ランサムウェア感染について」に続いて、Emotetって言うウィルスのお話でした。実はこのEmotetウィルスは、しばらく活動がなかったのですが、専門機関の分析で、今年に入って活動が活発になっているようなので、今週のテーマとして取り上げました。このEmotetについては、どこの誰が作ったウィルスなのか?諸説ありますが、過去には、ウクライナにあったハッカー集団の拠点が摘発されましたので、Emotetとウクライナには深い繋がりがあると推察していますが、この件は確証があるわけではなく、あり得るってことです。ウクライナの現状は戦争の惨禍にあるのは、国民にとって悲しい事態ですが、かつては、西側諸国は危険な敵対国家とみなしていた過去があり、こうした背景には、国際社会に対して旧ロシア帝国の一員として、テロ行為に加担していた事実があります。現政権下では、こうした危険分子が排除され抑え込まれていると言う見解もあれば、逆に活発に活動していると見ている識者もいるようです。話を戻しますが、このEmotet君は非常に厄介なウィルスであることは間違いありません。番組内でもお話しましたが、このEnotetは一般の方がインストールされているセキュリティアプリでは検出できません。短い時間でお話したので、よく分らなかったと思いますので、改めてご説明します。このEmotetは、 ダウンロードやメールなどに添付されたファイルに、実際のEmotetが入っているわけではないからです。 圧縮されている添付ファイルに入っているのはWordやExcelファイルです。 WordやExcelファイルを開いて操作する際に、コンテンツの有効化を行うとEmotetがダウンロードされ、動き出すわけです。ここで疑問に思うことでしょう!ダウンロードする時点で、WordやExcelファイルを検査すればウィルスの検出ができないの?って、これは結論から言うと、できません!そのファイルにウイルスが潜んでいるわけではないので、当然なのです。じゃあ何故Emotetをダウンロードしてしまうのか?それは、WordやExcelにある自動実行させることが出来るプログラムを動作させることで、Emotetをパソコンに取り込む仕組みになっているからです。WordやExcelを開く際、「これを開くと危険みたい・・・」なメッセージが出た場合、そこから先に進まないことで感染を防ぐことができます。こうしたWordやExcelファイルが、知り合いや信頼できる相手から送付されたものでも、このメッセージが出たら、絶対に開かないことです。これを徹底すれば、Emotet感染で悲惨な状況になることはありません。それから、番組内でもさらっと言いましたが、このEmotetは悪い意味でどんどん進化していて、感染したパソコンの中で、個人情報の搾取、メールアドレスの取得などを密に行い、闇のグループにばら撒きます。また、完璧なまであなたになりすましてメール送信しますから、そのメールを受信した相手がそれが偽メールと気づくことはないと思われます。こうして感染の連鎖が、深刻な「ランサムウェア感染」になるわけです。ですから、繰り返しますが、自動実行させるファイル(ExcelやWord)を添付してきたら、絶対に開かない、その上で送信してきた相手に直接確認する(電話でもLINEでもOK)、そうすることで、140兆円ものお金を悪い国に取られることを避けることができるので、皆で対処しましょう!